夜舟

文章書く練習ではじめました。

Cry Me A River 和訳

ジャズの定番です。ジュリー・ロンドンが歌っているものが有名。

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Now you say you're lonely 

今になって「寂しい」と貴方は言う
You cry the long night through

一晩中涙を流したのね
Well, you can cry me a river

だったら私を思って泣けばいいわ
Cry me a river

涙が川になるまで
I cried a river over you

私だって貴方のためにさんざん泣いたの

 

Now you say you're sorry

今になって
For being so untrue

「嘘をついてきてごめん」だなんて謝られても
Well, you can cry me a river

ただ私を思って泣いていればいい
Cry me a river

涙が川のようになるまで
I cried a river over you

私もこれまで貴方のために泣いたの

 

You drove me, nearly drove me, out of my head

貴方が私のために泣かなかったときも
While you never shed a tear

私は貴方に夢中で、気が狂いそうだった
Remember, I remember, all that you said

私は覚えているわ、貴方が言ったこと
You told me love was too plebeian

「愛なんてくだらない」って

Told me you were through with me and

「君と僕はもう終わった」って言ったこと

Now you say you love me

今さら「愛している」なんて言うなら
Well, just to prove that you do

それなら、私に証明して見せて
Come on and cry me a river

こっちへ来て、私のために泣いてよ
Cry me a river

涙が川のようになるまで


I cried a river over you
I cried a river over you
I cried a river...over you...

プライドと偏見

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18世紀、女性に相続権がない時代のイギリス。女の幸せは豊かな財政の男性と結婚すること・・・。貧しくはないけれど、大金持ちでもないベネット家では、5人の娘たちが白馬にまたがったリッチな王子様を探しており、隣に越してきた金持ち・ビングリーの噂でもちきりだった。読書好きの次女エリザベスは、ダンスパーティービングリーの親友・ダーシーの高慢な態度に腹をたてるが、ダーシーも彼女の聡明さと金持ちへの偏見に苛立ちを覚える。いつしか互いが気になる二人だが、誤解は解けないまま。やっと少し打ち解けるきっかけが掴めた二人だが、その頃、ベネット家の末娘の身に大事件が起こっていた! (原作 - Pride & Prejudice)

 ジョー・ライト×キーラ・ナイトレイといえば「つぐない(原題:atonement)」。この作品でこのコンビの虜になり、ずっと観たいと思っていた映画だった。アクションやサスペンスは結構ガヤガヤした騒がしいところとか、家の中を移動しながらとか、スマホで見ることができるけれど、この作品のように雰囲気を楽しむ要素が大きい映画はやっぱり落ち着いて横になりながら静かなところで視聴したいので、なかなか生活に余裕があるときしか勇気が出ない…。本当ならば映画館で観たい。小さな画面だったのが惜しかったけれど、充分楽しめるいい作品だった。

↑「つぐない」の名シーン

 ちょっとつぐないとも比較すると、キーラの表情が豊かなのが印象的だった。ダンスのシーン、姉妹たちとはしゃぐシーン、ダーシーに心をひらいていくシーン、どれをとっても本当に素敵で華やか。姉のジェインも確かに美人だけれど、やっぱり私はキーラ演じるエリザベスが最も綺麗だと思った。色々な系統の顔の女性が大勢画面の中に映っていても目を引く、特徴的で魅力的な顔立ちだと感じる。(あまり多くは登場しなかったが、ビングリーの妹さんも嫌な役特有の美しさがあったと思う。褒めています…)

 あとは、映画を盛り上げるキャラクターの性格の配分が良かった。嫌な役が多すぎても、騒々しい役が多すぎても、逆に静かであまり感情を表に出さない役が多すぎても、映画の中の雰囲気が壊れてしまうと思う。しかしこの作品は(この時代ならではだと思うが)母親の結婚のことしか考えていない傍若無人さ、姉妹の末の二人の騒がしさ、そしてエリザベスの芯のあるはつらつとした性格、ダーシーの落ち着きと何を考えているかがはっきりわからない性格がうまくマッチして、全体を通してのストーリーの面白さをより際立たせている。さすがはこの時代の婦人に受けた作品だと思う。(原作から大きく変わっているのかどうかは別として)

 ちょっと惜しいなと思ったのは、心情描写についてだった。ダーシーがエリザベスのどこに惹かれたのかがいまいち私には伝わってこなかった。エリザベスのはっきりとした性格が魅力的なのは観ている人には伝わったが、ダーシーが具体的にどんな場面を境に好意を抱くようになったのかがわからない。きっと小説を読めばわかると思うのだが、この映画単体で『Pride and Prejudice』の雰囲気を感じることはできても、中身をすべて楽しむことはちょっと難しいと思う。

 映像はもうどう表したら良いのかわからないほどに素敵で、私の好みだった。全体のザラッとした感じも、余白の取り方も、小物のセンスまで惚れ惚れするほど美しい。どこをとっても絵にできそう。

↑キーラのこんな可愛らしい表情は初めて観た

 ぜひもう一度映画館で上映して欲しい作品。大きなスクリーンで、静かなところで観たらもっと素敵だろうな。

小川洋子 凍りついた香り

 何気なく手に取った本。古本屋の100円のコーナーで、小川、の欄を確認するのはもう私のルーティンだったから、今回も見に行った。タイトルと、背表紙の言葉が素敵だったから買った。

 本を開いたらはしの方はもう変色していて、茶色かった。閉じている部分の下は私が大学へ行くまでにトートバッグにそのまま入れていたからか、雨で少しうねっていた。私は新品のまっさらな小説より、誰かが読んで、そのまま本棚に入れて放置して、なにかの機会に手放されたみたいな、年季の入ったページのほうが好きだ。

 ページを捲りながら寒気が止まらなかった。それは教室の扉から滑り込んでくる空気が冷たいからなのか、それとも目で追っている文章が壊れてしまいそうに冷たいからか、わからない。足早にそこを過ぎ去るようにページを早く繰った。どうしていつもこの方の言葉で鳥肌が立ってしまうのだろう。

 涼子のくちから語られるはじめの弘之はとてもおとなしくて、臆病で、インテリぶった男だ。弘之の心情はひとつも出てこないのに、その姿がありありと浮かんできた。どんなことにも神経質に、きちんと揃えたがる彼の性質は自分の周りにいたら少し嫌だろうなとも思った。弘之の弟、彰によって語られる”ルーキー”は彼女の見た彼とは少し違っていて、それに気づくと彼の全ての姿を知るべく涼子はその足跡をたどる。弘之の母、スケート場のミトンの少女、プラハで行われれた数学コンテストで一緒だった杉本史子、孔雀の番人(番人、という言葉選びのセンスにため息が出る)、プラハのベルトラムカ荘の使用人の女……それぞれに違った表情を見せるルーキーに恐怖さえ覚える。人の中心に吸い寄せられていく弘之の姿を見た涼子は何を思ったのだろう?

 ジェニャックは本当に良い役割を果たしていた。涼子、もとい”リリ”に無駄な気を少しも使わせなかった。リリが孔雀の番人と密やかに会話を交わしている際はじっと車の横で待っていたし、なにより日本語がわからなかったから余計なことをなにも言わなかった。(たとえ日本語がわかったら、どうだっただろう)チェロの演奏が上手で、その音だけでリリをルーキーのもとに連れて行った。ビロードも、見つけることができた。

 小川洋子さんの本の紹介には、静謐、という言葉がよく用いられる。どの作品も静謐そのものなのだが、この作品には色濃くそれが出ているように思う。全ての登場人物が静かに生きている。コンテストへ向かうルーキーに大声で声をかけるあの母親でさえ静謐な世界の下に押さえつけられてしまう。そしてどの作品にも必ずひとり、毛色が違う人物が出てくることもこの世界を作り上げる重要なスパイスになっているように思う。本作品でのスパイスは紛れもなく母親だ。子どものことを一心に思いながらもその方向性と熱意はずれていて、一般的に見れば毒親そのものだ。数学がよくできる兄の弘之にばかり熱意を注いでいて、弟の彰がよくやさぐれてしまわなかったものだと思う。

アリーの可能性を見つけたのも、その可能性の障害になったのも、ジャックだった[アリー/スター誕生]

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なんでもっと早く観なかったんだろう。ほんっとに心に残る映画です。好きな映画何?って聞かれたら絶対5本のうちには入ってくる。今日はそんな映画、「アリー/スター誕生」(原題:A Star Is Born)について語りたい。

ちなみに、私は2回視聴しました。2回とも号泣しました。

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