アリーの可能性を見つけたのも、その可能性の障害になったのも、ジャックだった[アリー/スター誕生]
なんでもっと早く観なかったんだろう。ほんっとに心に残る映画です。好きな映画何?って聞かれたら絶対5本のうちには入ってくる。今日はそんな映画、「アリー/スター誕生」(原題:A Star Is Born)について語りたい。
ちなみに、私は2回視聴しました。2回とも号泣しました。
まず、この映画何がすごいって曲。曲です。レディー・ガガ様なんて良くないわけないけど作中で出てくるガガの自然体の姿での歌良すぎ。全身震えます。私この映画見るまでは「徹子の部屋ですごいカッコしてた歌手」との認知でした。本当にすみません。
アリーを見つめるこのジャックの優しい瞳……
ちょっとサントラの中でも私の個人的おすすめ曲別に語らせてください。アップルミュージック契約してる人!ハイ!いま上のリンクから飛ぶ!聞きながら読んで下さいぜひ!
話のネタバレも若干含むのでまだ観てないかたは注意です。
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La Vie en Rose
ジャックとアリーが出会うシーン。アリーの頓狂な眉毛すらも愛おしく感じるジャックが印象的。私実はフランスの音楽も少しかじっているのですが、これはエディット・ピアフが歌ってたフランスの代表的なシャンソンです。(作中でも言ってたか)ピアノのおしゃれすぎるアレンジに、ガガ様の伸びやかで華々しい歌声。お風呂で聞くと飛びます。まるで自分がいい女になったみたい。途中の
「Would anybody like some French tips tonight?(フランス風はお好き?)」というセリフ…
Quand il me prend dans ses bras
彼が私を抱きしめて
Il me parle tout bas
私にそっとささやくとき
Je vois la vie en rose
人生がバラ色に見える
Il me dit des mots d’amour
彼が私に愛の言葉を語ると
Des mots de tous les jours
毎日の愛の言葉を
Et ça me fait quelque chose
私の心は揺すぶられる
Il est entré dans mon coeur
私の心の中に
Une part de bonheur
幸せが沸き起こる
Dont je connais la cause :
その訳はわかっている
``C’est lui pour moi
私のために彼がいて
Moi pour lui dans la vie’’
彼のために私がいる この人生で
Il me l’a dit, l’a juré, pour la vie
そう言って、誓ってくれたから
Et dès que je l’aperçois
だから、彼の姿を見かけるとすぐに
Alors je sens en moi
私は感じる
Mon coeur qui bat
胸の高鳴りを
Des nuits d’amour à plus finir
終わることのない愛の夜々
Un grand bonheur qui prend sa place
私は大きな幸せで満ち溢れ
Des ennuis, des chagrins s’effacent
不安も悲しみも消え去ってしまう
Heureux,heureux à en mourir
死んでしまいそうなくらい幸せな夜
Quand il me prend dans ses bras
彼が私を抱きしめて
Il me parle tout bas
私にそっとささやくとき
Je vois la vie en rose
人生がバラ色になる
Il me dit des mots d’amour
彼が私に愛の言葉を語ると
Des mots de tous les jours
毎日の愛の言葉を
Et ça me fait quelque chose
私の心は揺すぶられる
Il est entré dans mon coeur
私の心の中に
Une part de bonheur
幸せが沸き起こる
Dont je connais la cause :
その訳はわかっている
``C’est toi pour moi
私のためにあの人がいて
Moi pour toi dans la vie’’
あの人のために私がいる この人生で
Tu me l’a dit, l’a juré, pour la vie
そう言って、誓ってくれたから
Et dès que je t’aperçois
だから、彼の姿を見かけるとすぐに
Alors je sens en moi
私は感じる
Mon coeur qui bat
胸の高鳴りを
ここ伏線になってるんですね。ジャックを本気で愛した日々の、その終わりのあっけのなさ。ジャックとアリーが過ごした日々は、本当にバラ色のようでした。死ぬほど幸せだった夜が何度もあった。この生々しい歌詞フランスっぽい。
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Parking Lot
駐車場で豆を腕に巻いたアリーが自作の曲をはじめてジャックに披露する場面。このかすれた、小さいのに雄々しさとたくましさのある声が大好きです。ブラッドリークーパーもいい声だなあ。
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Shallow
言わずもがな。もう語ることは何もない。最高アンド最高。アリーが初めて人前で自信を持って歌ったシャロウ。(まあ実際ライブで急に知らない人が歌い始めたらびっくりするけどそれは映画マジックということで…)
I’m off the deep end, watch as I dive in
思い切って飛び込むから お願い受け止めて
I’ll never meet the ground
もう後戻りなんてできない
エンディングのココ、アリーが壁の額縁をぶっ壊す姿がどうしても頭から離れない。
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Always Remember Us This Way
私これも好きなんです!!アリーはいつもこうやってジャックを思い出すんだなと。日が沈んだとき。バンドが演奏を止めたとき、そういうふっとしたときに思い出す人って本当に好きな人だと思います。
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I'll Never Love Again
Film Versionズルすぎ。なんで急にジャック出てくんの。ジャックが最愛のアリーのために書いた、最後の曲、隅々までアリーのことを思って書いた曲。もう恋はしないと、アリー以上に愛す人はいないと思いながらかいたんだろう。きっとそれはアリーも同じだった。
このあとのアリーの仕草、写真見ただけで勝手に頭に映し出される。ジャックを心のそこから愛おしそうに見つめるアリー。
アリー自身に惹かれ、その才能さえも引き出してしまったジャック。皮肉なことに、彼は同時にその可能性の行く手を阻む存在でもあった。アリーの音楽性の変化は誰にも間違っているとも、あっているとも言えません。けど、ただジャックは自分を見てほしかったんだろうな。アリーが色々な人に囲まれて、あんなちっぽけなバーで仕事をしながら歌っていた彼女の成長をみて、嬉しくも嫌でもあった。そして、そんなふうに思ってしまう自分がまた嫌だ。その相克に悩んで死んでいったジャックは一体最後、何を思ったのだろう。
最後にアリーを呼び止めて、自分の鼻を撫ぜた、あのジェスチャーをするジャックの瞳は、ただひとりの女アリーを愛する、ただの男のものだったと私は思います。